お婆ちゃまは死んでしまいました、私にはもう誰もいません。
 だけどきっとお婆ちゃまは私の側でずっと見守っていてくれていると思うので、最後にもう一度だけこう書きます。


 お婆ちゃま、元気ですか?


 私はいつもと変わらず元気です。
 夜中に帰ってきたガダラルさんとルガジーン様は、色々あって疲れたのでお部屋で二人で寝ています。蛮族に捕まっていたガダラルさんは本当に久しぶりに家に帰ってきたのですけど、疲れてはいるけどとても元気です。
 さっきまで私とお話をしてくれて、私の作ったご飯を食べてからお部屋に戻りました。











 色々な話を聞きました。
 私の体のこと、お婆ちゃまのこと、本当に色々すぎてまだわからないことが多いです。このまま私なんて死んじゃった方がいいんじゃないか、そうも思いました。今でもそう思っています。
 でもガダラルさんはいつもみたいに怒るんです、そんな馬鹿みたいな事を考えるなって。


 私みたいな駄目な子でも、村の人に迷惑をかけて追い出された子でも、ガダラルさんはいつも怒ってくれました。悪いことは悪いって言ってくれて、いいことをしたら誉めてくれました。私と本当に普通に、普通に一緒に暮らしてくれました。
 全部知っていたのに、私を家族にしてくれました。
 俺はお父さんになりたくないってガダラルさんは言っていましたけど、家族っていう言葉はには頷いてくれたガダラルさんのことが、私は大好きです。何回書いても、何回言ってもまだ足りないくらい大好きです。

 このままずっと、ガダラルさんと暮らせたら楽しいんだろうなあ

ずっと側にいたいなあ

 やだなあ、全部がやだなあ




 私、なんでこんなことになっちゃったんだろう




 でも



 ガダラルさんはずっと前に、私が一人で自分のことが決められるようになるまでは守ってくれるって言っていました。だったらきっと今が、一人で自分のことを決める時なんでしょうね。


 だから、ちょっとだけいってきます。


 私がこれからどうなるかはわからないですけど、お婆ちゃま、最後まで自分のことを自分でちゃんと決めることができるように見守っていてください。ガダラルさんとルガジーン様が起きてきたらお腹を空かせているでしょうからまずはご飯を作って、それからお部屋の片付けをして……あ、一つ忘れていました。
 ガダラルさんには、ちゃんといってきますって言わないとダメですね。

 それじゃあお婆ちゃま、これでお別れです。
 お婆ちゃまの自慢の孫にはなれませんでしたけど、私の今までやってきたこととかガダラルさんに会ったことは、全然無駄じゃなかったです。お婆ちゃま、私を育ててくれて本当にありがとうございました。

 色々ありすぎましたけど、私は幸せなんです、きっと。


 いつかまた、お手紙をかきますねお婆ちゃま。
 その時まで元気でいてくださいね、それでは。