お婆ちゃま、この間の手紙の続きです。
 本当はもっと早く書きたかったんですけど、色々とやることが多くて書くのが遅くなってしまいました。というのも私がお出かけをして家に帰ってきたらルガジーン様が久しぶりに家に来ていて、ガダラルさんが蛮族に捕まってしまったので、しばらく私はルガジーン様の家に来るように、と言われてしまったんです。ガダラルさんがいつ戻ってくるかわからない状態で、家に一人でいるのは寂しいだろうからとルガジーン様は言ってくれましけど、私は断ってそのまま家にいることにしました。
 私がガダラルさんの侍女です、まだ見習いですけど。それなのにガダラルさんがいない間家を離れて、のんびり待っているのはおかしいと思います。ルガジーン様が気をつかってくれるのは有り難いですけど、ガダラルさんがいないからこそやることがいっぱいあるんです。ガダラルさんのお部屋の窓の立て付けが悪くなっているので直さないといけないし、地下の室の整理だってまだ終わっていません。部屋に置ききれない本とかを置いておくのはいいことだと思うんですけど、ガダラルさんがいない間に片付けておかないと本を置く場所が無くなってしまいます。
 頑張って今お片付けをしていますが、ガダラルさんのお部屋を掃除していたら、星芒祭の時に私がプレゼントしたお守りが机の上に置きっぱなしになっていました。せっかくプレゼントしたのに、忘れていったらお守りの意味がありません。ガダラルさんが帰ってきたら言ってあげようと思いますけど、この頃ガダラルさんはどうも元気がなかったというか、色々考え込んでいたみたいです。ルガジーン様が来てくれれば話も聞いてくれていたんだでしょうけど、ルガジーン様も忙しくて来られなかったみたいですし。
 ガダラルさんと、一緒に捕まってしまったナジュリス様を助けるために、みんな必死に動いているそうなので、私の仕事はここでガダラルさんが帰ってくるまで、家を綺麗にして待っていることです。
 でもガダラルさんが帰ってきたらまずお守りを忘れたことを言って、それから美味しいご飯を作ってあげて、ゆっくり休んでもらいたいです。ルガジーン様も今まで何度か捕まったことはあったけど、必ず帰ってくることができたって言っていましたし、絶対に帰ってきます。

楽しい事だけを書きたかったんですが、全然楽しくない手紙になってしまいました。今日もまだガダラルさんが帰ってくるっていうお知らせは来ません。ガダラルさんに内緒でお出かけしたから罰が当たったんでしょうか……?
 ガダラルさんが帰ってきたらまた手紙を書きますね、まだやることがたくさんあって大変なんです。どうか一日でも早く、ガダラルさんが帰ってきますように……