お婆ちゃまお元気ですか? こちらでは星芒祭の飾りがあちこちで見かけられるようになってきました。昔からここに住んでいる人たちには不評みたいで、貧民街をわざわざ飾り付ける必要がどこにあるとか、異国の習慣を持ち込んでとか騒ぐ人がたくさんいるみたいですが、ガダラルさんはとても楽しそうです。元々お祭り好きみたいなので、見たことがない飾りとか料理とか、見ているだけでわくわくしているガダラルさんはまるで子供みたいでした。星芒祭にはいっぱいごちそうを作ってくれるって約束してくれたので、それを楽しみに待っていようと思います。ガダラルさんはこの頃とても忙しいみたいであまり家に帰ってきませんし、誰かが必ず遊びに来てくれますが、一人ですごすのはやっぱり寂しいです。 でも、一人というわけでもないんですよ。 カーバンクル君も寂しいときは話し相手になってくれますし、この間の旅で私と契約してくれたシヴァさんも私の側にいつもいてくれます。旅に出る前にガダラルさんが私に出した宿題が、カーバンクル君以外の人たちとも契約してこいって事でした。私の力じゃ無理だと思ったんですが、カーバンクル君と一緒に戦って、なんとか契約してくれることになりました。シヴァさんの周りは空気がきらきらしていてシヴァさんもとてもきれいで、私はシヴァさんを見るのが大好きなんですが、家にいると寒いと言うことでガダラルさんにはあまり呼び出すなと言われてしまいました。確かにこの季節は呼び出すと寒いです……でも、なんだかすごくしっくりくるというかシヴァさんと一緒にいると、お婆ちゃまのところに帰ってきたような気分になります。ガダラルさんが私とシヴァさんの相性がすごくいいからだと教えてくれましたが、それだけじゃない気もします。たまに具合が悪くなることが旅の途中でもあったんですが、シヴァさんと契約してからはすごく元気になれましたし。すごく不思議なのですが、理由がわからないことをあまり考えてもしょうがないので、考えないことにしました。 暑いのは苦手なので夏は大変でしたが、冬はまだ過ごしやすそうです。街の色はまだ好きになれませんが、星芒祭の飾りが街を少しだけ明るくしてくれているみたいです。今日もガダラルさんはお出かけしています、大事なご用みたいなのでわがままは言えないですが、できれば早く帰ってきてくれればいいなといつも思っています。 集落はもっと寒いのでしょうね、お婆ちゃまも風邪を引かずに元気でいてください |
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