アトルガンも少し寒くなってきました、お婆ちゃまお元気ですか? 今は冬に向けて保存用に野菜をつけたり、魚をさばいたりするのにすごく忙しい毎日です。冬になると生のお野菜は高くなりますけど、ガダラルさんのお給金なら、毎日食べても困らないと思うんですけど。でも味見させてもらった魚の塩漬けはすごくおいしかったので、冬の間これが食べれると思うとすごく楽しみです。魚はミリ様が大好物だそうで、一度にすごくたくさん食べてしまうそうです。なのでミリ様がもらいに来ても決して渡すなと言われました。これからは私のお仕事の中に魚を守るというのが付け加わりそうです。 ミリ様がくると、用意しておいた食べ物がすぐになくなってしまうのはいつものことですが、冬のために用意した物が今なくなるのは困ります。 そういえば、ガダラルさんのお給金なんですけど。 この間ガダラルさんが帳簿をつけているので見せてもらったんですが、すごくたくさんもらっています。でも、鎧の修繕とか、魔法書を買ったりするので、大金持ちって訳でもないんですよね。特に鎧の修繕はすごくお金がかかるので、内張の布とかは私がクリスタルを使ってこしらえたりしてます、料理よりはよっぽど得意なので、ガダラルさんのお役に立てるのがすごく嬉しいです。鎧の継ぎ目のかみ合わせとかは直せないので、それは工房で直してもらうしかないんですけど。 ガダラルさんが帳簿をつけていると言いましたが、一応お金の管理をする人は別に雇っているんです。でもガダラルさんは毎回毎回怒られているので、あまり呼びたくないみたいです。その人が言うには、ガダラルさんの家の大きさで、こんなに人を雇っていないのはおかしいそうなんですけど。確かに私の他にいるのはお庭の面倒を見てくれるおじさんと、お金の管理をしてくれる人だけです。でもお掃除は間に合ってますし、普段はガダラルさんと私と遊びに来るお客様だけなのでご飯も間に合ってますし、なんでそんなこと言うのかその時はわからなかったんです。 その日の夕方遊びに来たルガジーン様にその話をしたら、それもある意味義務だって教えてもらいました。裕福な人が、お金を持っていない人を雇うのは、上に立つ者としてやらなきゃいけないことなんだそうです。ルガジーン様の家にはいっぱい使用人さんがいるそうなんですが、実際はあまり人がいると息が詰まるってルガジーン様が呟いてました。だから毎日のようにここに遊びに来るんでしょうね、きっと。 ガダラルさんとルガジーン様は、ご用事ということで今はナシュモへお出かけしています。ガダラルさんは誰が来ても話をするな、家に入れるなってすごく念を押していきましたけど、取り次ぎは私の仕事なのでそれはしないわけにいかないし。さっき不滅隊の人が来て、ガダラルさん宛にってお手紙を置いていきましたが、そういう人と話をしてもダメだったんでしょうか? すごく悩んでます。 今日来た不滅隊の人は、私と同じタルタルでマウラにある集落からこっちに渡ってきたそうです。今まで何度か手紙を届けてくれているのですが、不滅隊に入れてもらったばかりで毎日失敗ばかりだって笑って話してくれました。すごく優しい人なんですが、カーバンクル君はすごく嫌っているみたいで、その人が来ると家の中に走っていってしまいます。ガダラルさんのことは何をされても好きみたいなのに、おかしなカーバンクル君です。 ガダラルさんたちは明日には帰ってくる予定です、おみやげを買ってきてくれるといいんですけど。それではお婆ちゃま、また手紙を書きますね。 |
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